どうなってるんだ!石油の値段は

 冬に入って灯油を18リットル缶1140円で買っていた。それがクリスマスの夜あたりに急に値上がりして1380円になった。12月31日も1缶1380円だった。先シーズンが1缶1000円ぐらい、先々シーズンが800円ほどだった。この値上がりに対して政府は何も手を打ってくれない。マスコミも何も書かない。これっておかしくないか?
 去年の末に急に値上がりしたのは、寒気団の襲来もあったが、寒冷地の灯油消費者が将来の値上がりを予想して防衛的買いだめに走ったからだ。確かに北海道の寒冷地では東京の消費の何倍も灯油を使う。だから、政府が灯油の価格に無防備なことを見抜いて、自らが防衛的買いだめに走ったのは当たり前だ。私だって大量に消費するのだったらドラム缶を用意して買いだめするだろう。
 政府は何故この灯油の異常な価格上昇に手を打たないのだろう。不思議だ。日本は3か月分の原油備蓄がある。国民の生活を守るために何らかの手を打つべきではないのか。
 灯油のみならずガソリンの価格だって高止まりしている。その裏で原油生産国や日本の商社、石油元売は空前の利益をだしている。これだっておかしな話だ。
 一昨年の秋ごろ、まだガソリンの価格が上昇していない頃、こんな話をきいた。ある運送業者が、軽油の値段が上がりそうなので、向こう1年分の軽油を買ったというのだ。
 私はその話を聞いて不思議だった。1年分の軽油を自分で保管しようとしたら、大変だ。設備資金だけで値上がり分を超えてしますからだ。しかしその運送業者は備蓄するのではなく、書類上の軽油購入をするというのだ。ようするに現物で購入するのではなくある値段で先物購入するのだ。
 どうも原油の高騰はこの仕組みが大きく影響しているようだ。この運送業者に限らず、多くの原油消費者が、こういった形で先物購入したら原油需要は一気に跳ね上がる。購入資金の借り入れ金利はせいぜい数パーセント以内だ。石油消費者以外に投機資金が先物市場になだれ込んだら、一気に原油価格は高騰する。実際に原油価格は倍以上の高騰ぶりだ。
 原油の話はさておいて、生活に密着する灯油に戻そう。政府が無策を続けるなら、私も防衛上備蓄するより方法はない。それにしてもこの灯油価格についてマスコミは何も言わない、何も書かない。一体どうしたことだ。毎日の日経平均株価の上昇については書き立てるくせに、こんなに生活に密着した灯油価格の上昇に何故口を閉ざすのだ? マスコミは一体誰の味方なのだ。