イラクの今後はどうしたらいいのでしょうか

 まず紛争の解決策はその状況において大きく変わると思います。
平和だったときに、いきなり紛争が起こった場合は、原因、双方の主張、状況などを参考に意見をいったり、国連が登場したりして解決に向かうことができます。
 もう一つの、今回のイラク情勢に当てはまることですが、事態がこじれにこじれた果ての、紛争については複雑になると思います。
 アメリカ及び連合軍がイラク攻撃を始め、ほぼ収束宣言を出す段階で、今回のような宗教派内の抗争の解決は、経過がありますから簡単にこうだとはなかなかいえません。
 フセインが大統領だったときは、フセイン大統領の専制で宗教派閥のバランスを保っていました。そのフセイン専制が除かれて、イスラムの派閥抗争が顕在化したわけですから、この沈静責任は、アメリカ軍がイラクに駐留し支配権を持っている間は、アメリカにあると思います。もしアメリカが、「これはイラクの内紛だからイラク人同士で解決しなさい」というのなら、アメリカはイラクから撤退して完全にイラク人の手に政治を任せるべきだと思います。
 アメリカ軍が統治権を持っている現在、やはり治安の維持、抗争の沈静はアメリカがすべきだと思います。しかしアメリカ軍に向かってくる攻撃でないからなかなか難しいことが予想されます。またアメリカ軍は自軍に被害が少ないから、なかなか乗り出さないと思います。
 しかしこういう事態になることは、イラク開戦当時から予測されていたことですので、それを承知で攻撃を開始した側は最終責任があると思います。
 対立宗派の代表とアメリカ軍で話し合いを持つべきです。それ以外に方法はないと思います。しかしアメリカは今まで、多数決制民主主義を掲げてきました。しかし宗教の世界で多数決制民主主義が通用するかどうかは難しい状況です。しかし誰かが納め役をかってでないと、宗派間の抗争はエスカレートするばかりだと思います。

 日本の自衛隊イラク駐留問題については:
今回の宗派間の抗争に関しては、日本の自衛隊の存在は全く問題になっていません。イラクの国民にとって、日本の自衛隊の駐留は眼中にないと思います。