変化するクリスマスの言い方

 日本にクリスマスの習慣が根付いてからずいぶんになる。以前から一部のキリスト信者を除いて殆どの人は、宗教を離れ習慣ととして受け入れている。その習慣は日本に定着し毎年多くの人がクリスマスを楽しんでいる。
 しかし西欧では日本とは異なりキリスト教がひろく信仰され、その信仰の大事な行事として祝われている。反面、キリスト教以外のユダヤ教イスラム教といった、教義を異にする宗教信者も多い。またキリスト教の中にも偶像崇拝を嫌うキリスト教信者や、キリストの誕生は年末ではないとの見解をとるキリスト信者もいて話をややこしくしている。
 そういった背景からアメリカではメリークリスマスとは公の言い方では、だんだん使われなくなりつつある。クリスマスとは語源をたどれば、キリストのミサ、すなわちイエスの生誕を祝う意味だ。勿論キリスト教信者間ではメリークリスマスの言葉は意義深い言葉として使われるのは言うまでもない。
 不特定多数の国民にたいして使う言葉としては最近では、ハッピー・ホリディーが良く耳にする。この言葉を使うことにより、キリスト教という特定宗教との関係を少しでも薄めようとする配慮である。
 では日本ではどうだろう。アメリカでハッピーホリディーと言うようになると、わが国もその言い方に気をつけざるを得なくなる。ではどう表現したらいいのか。
 2005年のクリスマスはたまたま日曜日にあたったから、ハッピーホリディーでもいいが、来年のクリスマスは月曜になってしまう。再来年は火曜日だ。ホリディーではないのにハッピーホリディーとは表現できない。
 困った。しばし考えて…。イギリスではどうだろう。なにかいいヒントがあるかもしれない。イギリスでも同様の問題を抱えている。イギリスではこんな言い方もしている。1年の12ヶ月を4分割すると、3ヶ月になる。3ヶ月毎の3月(25日)、6月(24日)、9月(29日)、12月(25日=クリスマス)をクォーター月とし、例えば12月の25日をクオーター・ディと呼んで祝日になっている。
 日本でもこれに倣ってクリスマスをハッピー・クォーターと呼んではどうだろう。ついでながら25日の25も100にたいしてクオ-ターになってちょうどいいではないか。
 日本語の表記では「ハッピー・クォーター」。英語ではHappy QuarterまたはHappy 25thとなろうか。