相撲も改革を

日本の相撲ほどカッコ悪いものはない。太りすぎの力士には目を覆いたくなる。トップ同士の取り組みに、身体の芯が震えるような興奮を覚えたことがない。
「醜い」という言葉は相撲のためにあるようなものだ。
その日本相撲が改革もなしに延々と続いている。日本相撲を国技と呼ぶのは勝手だが、国技だから改革しない、は的外れだ。
中学、高校で、スポーツが開催された翌日には教室で生徒達の間で、その内容が話題になる。相撲を除いてはである。大体中学、高校の部活で相撲部があるという話は聞いたことが(めったに)ない。そんなのが国技か?
ズバリ言おう。日本相撲の諸悪の根元は土俵のサイズにある。直径15尺だから約4メートル55センチ。こんな狭い中で闘うのだから、力士も忙しい。技は48手あるそうだが、いちいち手の込んだことはやってられない。勢い、体重を増やして、相手を押し出すことに専念するようになる。体重の差によるクラス分けもないから、とにかく重い力士が有利だ。こんなの試合じゃない! 勢い、決まり手も押し出しがほとんど。押し出し以外の決まり手も、相手を土俵際に追い込んで、相手の体制を崩した後のものだ。
力士も相撲の練習はするが、先ず体重を増やすことが優先される。
この15尺の土俵サイズ。最初から決まっていたものではない。文献に依れば、鎌倉時代の相撲は違っていた。当時の土俵は二重土俵で、土俵から出たら即負け、というルールはなかった。また人方屋(ひとかたや)といって観客が周りをぐるっと取り囲んでいた。倒れ込んだ力士は観客によって土俵に押し返されたりもした。いわゆる格闘技が繰り広げられたわけだ。時代からして、押し出しで勝負が決まったとしても観客が許さなかっただろう
しかし時代が変わり、安泰ムードが出てくると相撲も時代を反映したようだ。
力士が土俵で組んだまま動かない取り組みが増えていったという。土俵上で組んだまま動かないでは話しにならない。
そこでルールを改正し、土俵から出たら負けというように変えたわけだ。力士も必死で取り組んだという。お陰で相撲の人気が急上昇したという。
しかしルール変更の当初は、筋肉質の力士が逃げ場を封じられ、闘ったのだから面白くなった。今の横綱朝青龍の活躍に似た状況だったろう。
ところが現在の相撲は、前に述べた通り、重い者が勝ちだ。300キロ近い力士が横綱になり、決まり手はいつも押し出しだ。
相撲協会も力士側も、改革しようという意識はひとかけらもない。放送するNHKも視聴率が上がろうが下がろうがお構い無し。若者は、始めから見ないのだから、どうだっていい。
ここで私の提案だ。
まず土俵サイズを21尺(6メートル34センチ)に広げる。土俵の中央で両者が動かなくなった(水入り状態)ら両者を離し、仕切り状態から再開する。押し出しを少なくするため土俵を少しすり鉢状にする。
これで相撲は面白くなる。それに筋肉質になることによって怪我も減るだろう。間違いないと断言する。
それと十両以下の取り組みに、オープン参加の選手(力士)を認めたらいい。大学相撲の力士とか、飛び入りでボブ・サップが挑戦するとか、想像するだけで楽しくなる。