日本の音楽事情・私は怒ってるぞ!

今まで日本の音楽状況に関して、ソニー問題、日本の音楽事情etcと書いてきた。それらの根本原因についても述べてきた。しかしあるシーンを目にするに至り再度、しかも最終的に警告せざるを得ない。

まず私が目にしたシーンから報告したい。
先日の春日のある日。(日が3つも続いて、おかしいのは、私がいかに怒り心頭かを表している。)ストーリート・パフォーマンスのミュージシャンを聴いた時だ! 男性の歌い手はギターを弾きながら、フォークとポップスとを混ぜたような歌を歌っていた。歌唱力はよかった。よかっただけに悲しさで足早にそこを離れた。
音楽は好みの問題で自由だ。何を聴くのも、何を演奏するのも全く束縛はない。だからその自由さを認めた上でも私は言いたい。
日本の音楽事情は、残念ながらマーケットルートは既得権益者達の手中にある。だからテレビ、ラジオで流される音楽の選択権は彼等が握っている。彼等は政府に働き掛けて、レコードの再販売制度を手にしている。レコードの安売りを法律で禁止しているのだ。そればかりではない。CDのアルバムを一枚3千円以上に設定することを暗黙に申し合わせているように思える。レコード小売店は3割の儲けだから、1枚売れば900円の儲けとなる。
今、1番売れている、いわゆるジャパン・ポップスにしがみつかざるを得ない構造になっている。アメリカで流行している曲を手掛けても、利幅が薄いからやりたくないのだ。
だから音楽の流行を無視して、従来のフォークとポップスとを混ぜたような(古い)曲を売り続けているのだ 。
だからそのような音楽がいいと思い込んだ若者が、ストーリート・パフォーマンスで演奏するわけだ。
私は、そのパフォーマー既得権益者の犠牲者に思えてしまうのだ。(パホーマーに対しては、時代に即した音楽をやったほうが、聴くほうも聞きやすいよという意味での意見です。)
さて次はiPod問題だ。この問題も根本はレコードの再販制度にある。iPodを利用しているアメリカ人は、どんな新曲でも1曲1ドルでダウンロードできる。ところが日本では新曲1曲が300円もする。誰がダウンロードするもんだ。だからソニーのハードディスク型ウォークマンが売れないのだ。ご存知のようにiPodのハードディスクは東芝製だ。東芝のハードディスクのベアリング技術はトップクラス。だからソニーウォークマンが売れないのは技術が問題ではないのだ。
既得権益者はレンタルレコード業界にも手を回し、新曲はレンタル許可をしないのだ。同じ知的財産権を持つ映画業界とは雲泥の差がある。映画業界は新作DVD映画の販売とレンタルを同日に実施している。
私の私見だが、昨年末の紅白に何故「ノーボデーノーズ」が出場したのか。パクリ疑惑の「オレンジレンジ」が売れているのかがよくわかる。(理由はあまりにも私見過ぎるので差し控えさせていただきます)。ノーボデーノーズもオレンジレンジも私の好きなバンドだから、この辺は複雑!(両グループのファンの皆様、怒らないでね。両グループは売れて本当によかったと思っているよ!)
次に心配なのはCDだ。既得権益者は政府に手を回し、去年に法律を通した。輸入レコードを好きなときに差し止められる法律だ。今アメリカからの輸入盤はアルバムで1700円程度だ。それが日本の既得権益者が日本盤として発売すると2700円から3000になる。だから私は輸入盤を買っている。しかし既得権益者が、国に輸入盤が安すぎると、提訴すると法律的には差し止めが可能なのだ。だから今は既得権益者と、私のようなオープンマーケット派との戦いなのだ。時勢は、既得権益者は、アメリカのトレンドと、その流れを受けた韓流ブームと、私の3方に囲まれ、瀕死の状態だが、なかなかしぶとい。
結局、日本の文化を守るという意味で作られた再販制度が、実は日本の文化を正しく発展するのを妨げているのだ。たとえばアメリカのトレンドの曲が日本にどっと流入したとしよう。そのとき日本の音楽業界はつぶれるかといえば、つぶれないのだ。アメリカのトレンドが広まったら、そのときはちゃんと日本人の優秀な、歌唱力のある歌手が出てくるのだ。現にメジャーではないが、世界に通用する日本の歌い手は、何人も知っている。
またレコードの値段が、再販制度がなくなったら、無茶苦茶になり、結果として歌手や作曲家の利益が侵害されると言うのもウソだ。いや逆に今以上に、音楽の新人台頭が簡単になり、もっともっと活発になる。断言する。もっとも町のレコードやさんの数は減るかも知れないが、それは販売形態の変化だから仕方がないと思う。