中国デモ問題

とうとう上海にまでデモが広がった。明らかに町村外省の訪中に照準を合わせている。
過去日中関係がこじれたときの原因は経済問題が多かった。過去の歴史問題は口実に過ぎなかった。今回もそうだと断言していい。
では経済問題とは何か。先ずODAの額だ。対中国ODA額の減額を政府は決めているが、その反発が第一。次に元の切り上げ問題である。日米協調して元の切り上げを要求していることに苛立っているのだろう。しかしアメリカが元切り上げの強硬派だがODAは増額している。そのアメリカがデモ攻撃に会ってないことを考えると、やはり日本の対中ODAと3兆円にも上る対中円借款か。もうひとつは天然ガス採掘を含めた領土問題である。
ODAの減額は日本が財政赤字で悩んでいるから理解してほしい、との主張は日本側の主張としては正しい。しかし中国側にしてみると、ドイツは国連常任理事国入りを日本と同様求めつつODAは増額しているではないか、と言いたいのだろう。だから中国は日本の常任理事国入りも反対している。
中国元の切り上げ問題は、アメリカが先頭を切って主張している。だから本来はアメリカに向かってデモをするのが筋だがアメリカは怖い国だから日本に向かっている。
中国元の切り上げ問題は中国にとって死活問題だ。なんとしても阻止したい。元が切り上げされ、中国国内が混乱したら大問題だ。それに比べたら対日デモに対する国際非難なぞ屁のようなものだ。
領土問題は両国にとって譲れない問題だ。しかし過去穏便にされてきた領土問題が、何故クローズアップされたかというと、小泉総理の右寄り姿勢がある。国粋姿勢と言っていいだろう。
中国や韓国が反発して当然だ。
さて解決方法だが、ODAを増額して、中国元の切り上げ問題をアメリカに止めるよう進言すれば、問題解決になるのだが、今のところ町村外相が色よい返事をしてないらしく上海デモに発展した。
私の進言としては、小泉さんは「ODAの減額は日本の財政事情で中国の理解を求める。そして教科書、靖国の戦後歴史認識問題では、素直に謝る」で一件落着だ。しかし小泉さんは、国粋姿勢だから、もしそれができないとすれば退陣しか手はない。小泉さんにとって土壇場だ。