本もレンタルだ

本の販売には３つの要素が絡んでいる。卸問屋、小売店、それと公正取引委員会（公取委）だ。本はご存知のように再販商品だから定価販売を義務付けられている。小売店が本の値引き販売をすると、公取委に指摘される前に、卸問屋が配送を停止してしまう。
しかし小売店が大型化して卸問屋と五分の関係ができると、配送料を無料にするとか、ポイント割引制の導入までは、卸問屋も認め始める。そうなると、公取委もあからさまな値引きではないので、見てみぬ振りをする。これが最近の本屋事情だ。
しかし町の小さな本屋さんは、ポイント制といっても頻繁に買う客は少ないから、そのメリットも薄く、せいぜい近所の客には配達するサービスが精一杯だ。大型店には対抗できない。
小型店は以前から、売れ筋の週刊誌などはコンビ二に持っていかれ、現在は漫画本などで売り上げを維持しているのが現状だ。
こう見てみると、再販売制度があろうがなかろうが、小さな小売店は消える運命にあるといえる。

さてここで私の提案だ。
本もレンタルを始めたらいいと思う。一冊の本を立ち読みするには時間がかかりすぎるし、図書館へ行くのも面倒だ。レンタルがいい。読者の中には清潔さの面で危惧を抱かれるかも知れない。しかし図書館や漫画喫茶の本だって事情は同じだ。
現在の映画がレンタル化されたからといって、映画会社の収入が減っているわけではない。レンタルでもちゃんと手数料を取っているから、トータルでは利益が上がっている。
本だって、安いレンタル料で借りられたら、トータルでは現在より出版社の収入は増えるかもしれない。ブックオフに行けば、レンタル料より安く買える、と言われる方がいるかも知れないが、ブックオフでは必ずしも読みたい本が並んでいるとは限らない。
それにレンタルであれば、消毒とか再製本が機械化でき、健康面でも安全な本がレンタルできるかもしれない。
誰かレンタルブックを始めてください。