歴史認識

最近の小泉総理の歴史認識の対応には、首をかしげる。事の本質が見えていないから、思いつきで語ってしまうのだ。なんとかならないだろうか? 先日、小泉さんの知恵袋の中川さんがテレビに出演していたので見ていたら、小泉さんと全く同じ考えだ。
小泉さんは、大げさに捉え過ぎている。中国は日本が先のイラク自衛隊を派遣したときも、デモなどしなかった。だから、先回の上海などでのデモ騒動は、心情的にいたたまれず実施した行動だと見るべきだろう。
たとえばアメリカが、日本に原爆を落とした飛行機「エノラゲイ」を戦勝60周年に合わせて全米で大規模に展示会をした、と例えればいい。もしこんなことが実施されたら日本人は、きっとアメリカに中止の要請をするだろう。そのときアメリカは、内政干渉だといって、反対意見を撥ね退けるだろうか? 当然、日本人の心情を察して、そんな行事は中止すると思う。
中国、韓国にとって、靖国に祭られている一級戦犯の軍人は、エノラゲイに相当するのだ。わたしが考えたって分かる事だ。大勢の国民がひどい目にあった中国にとってはなおさらだ。被害を与えたその張本人を祭る靖国神社にお参りすることは、彼らにとって耐え難い行為だということぐらい分からないと、総理の資格がない。
何も中国は、戦犯らを祭る無宗教の施設を作ってそこでお参りをしろ、と具体的なことを要求してデモをしたわけではないのだ。日本だって、エノラゲイを展示する話しがかって出たとき、外務省を通して暗に控えてくれるように要求したではないか。
小泉さんは私の二元論を引用すると、内なる方向として国粋的指向で、外なる方向が郵政民営化の二元論を取っている。これで小泉さんの行動は大体説明がつく。
だから中国、韓国が靖国問題を取り上げたとき、小泉さんは、中国、韓国に反感することはあっても、理解しようとはしなかったはずだ。多分小泉さんは、70年程前に、日本が中国、韓国でどんなにひどいことをしたかは、知ろうとはしなかったであろう。
しかしやられたほうは、親から子供へと、ちゃんと教え語っているのだ。
丁度日本が、原爆の悲惨さを今でも中学の国語や社会の教科書で教えていると同じように。