混迷する郵政国会の行方

まず、民主党は、今回の国会混乱で有利に働くと読んではならない。民主党が自らポイントを上げた内容が何もないからだ。
何度も述べるように、郵政民営化法案で民主党の態度はみるに耐えない。こんな対応でよく政党の体面が保てているのか不思議なくらいだ。
さてまず郵政国会の今後を予想しよう。
自民党参議院は採決に当たり、執行部は自民党一致の結束はできない。もし採決に突入したら否決だ。否決されたら国会は大混乱が起き、必然的に早期解散となる。
小泉首相参議院採決の前日まで参議院自民党議員の説得を指示するだろう。しかし反対議員数は18を遥かに上回るであろう。
小泉首相は法案の継続審議に踏み切るだろう。採決で否決されたら今後数年間は郵政民営化を口にできなくなる。継続審議であれば、衆議院で可決されているのだから2、3年後に再上程できる。
そして国会は閉会され小泉首相も、何事もなかったかのように首相在任継続だ。
衆議院自民党造反議員に対しては形ばかりの「厳重注意」の「処罰」がだされる。
しかし造反議員らの腹はもう決まっている。離党だ。逆にいうと、離党の腹を固めたからこそ、衆議院採決で青票を投じたのだ。小泉総理がもし造反議員自民党に引きとどめようと望むなら、手段は1つ。造反議員側から、時期総裁の内定をだすことしかない。小泉さんは、その内定は承服しないであろう。もしそうなったら今度は森派ががたがたにされてしまうからだ。がたがたになるぐらいなら、造反議員の離党を選ぶだろう。
造反議員は離党後は民主党には加わらず、ちょうど田中真紀子議員のような立場をとるであろう。
そのため解散は任期半ばの秋か来年春となる。自民党は大変だ。総選挙までに総裁選挙をしなければならない。多分安部さんがかつがれるであろう。組閣後の総選挙だ。
さあここで試されるのが民主党だ。まず岡田代表で選挙が戦えるかどうかだ。 ずばり予想すると続投だ。理由は岡田代表が頼りないから、かえって小沢副代表の支持を得るからだ。そしてともかくも総選挙に突入する。
自民党分裂選挙だから勝てっこない。造反議員はビックネームだし、造反理由も郵政民営化反対だから、自民党の公認が得られなくとも大半は当選する。そして、造反議員枠に立てた新人候補は苦戦する。
さて民主党だ。民主党は今回、郵政民営化に党を上げて連合をバックアップした。そのため連合も総選挙ではガチンコで民主党を応援するだろう。それと共産党社民党は、党勢が衰退気味だから、それらの支持者の何割かは民主党に投票するだろう。 民主党は他力的に有利だ。また自民党の総裁となる安部さんは、かって拉致家族が戻された時期であれば人気があったが現在は小泉さん以下だ。その点でも民主党は有利だ。
結局次回の総選挙では、自民党オウンゴールで票を減らす。その分民主党が伸びることになる。
今国民の関心事は、景気、年金、財政出費の無駄遣いカットの3点だ。民主党には年金問題の立派なマニュフェストがあるからオーケー。あとは景気と無駄遣いカットの計画表を示しさえすればいい。
現在小沢副代表が進めている選挙区を大事にする作戦も巧をそうしてくるだろう。
そして民主党にとって何よりも大切なことは、少なくとも総選挙が終わるまでは、完全に市民派党を掲げること。改憲は反対の態度を貫くこと。「改憲」と一言でも口にすれば、前述した共産党社民党からの流れ票が来なくなる。また女性票も逃すことになる。 また年金問題で財源を聞かれても二つ返事で「消費税アップ」と言わないこと。「まず無駄な出費を削ります」で押し通すこと。
対米外交はやはり大切だ。心の中でブッシュが嫌いでも、ここは我慢が一番。従来の路線を踏襲しますと、言い切ること。
アメリカを怒らすと経済制裁が怖いから、ともかくも穏便に願いたい。民主党がどれだけ躍進できるかは、以上にかかっている。
そして久しぶりに総選挙結果をテレビで見ながら、美味しいビールを飲みたいもだ。