どうしてこうなっちゃたんだ!国会は。

 1カ月前まで、誰がこの展開を予測しただろうか。いや誰も予測していなかった。
 いまだに国民からの内閣支持率50パーセントを維持していた小泉政権が、どうしておかしくなっちゃったんだろう? その原因を探ってみたい。
 小泉政権にとって、郵政民営化法案はもっとも関心の高い法案だった。全精力を注入して国会に法案を上程した。そのことを思うと、そうやすやすと引っ込めるわけにはいかない。
 だがここでよく考えていただきたい。小泉さんが郵政民営化をいう根拠だ。世間では小泉さんの郵政民営化の隠された深層心理をこう分析する声がある。

 1、親類に銀行関係者がいて、銀行のライバルである郵便局の解体を望んでいる。
 2、アメリカの要請で郵政民営化をすすめなければならない。
 3、自民党郵政族には橋本派の議員が多いから、郵政民営化橋本派解体に繋がる。
 4、連合の郵政関係労働組合に打撃を与えられる。

こんなところである。しかしここにきて、以上の4項目を達成するために、自民党そのものが野に下がる事態となってしまった。それでも小泉さんはまっしぐらに突き進もうとしている。不思議である。
 私は、こうなった理由をこう分析する。小泉さんに、「相手の身になって考える態度」がないのが最大の理由だ。ええ?そんなことが理由? と思われる方が多いと思います。しかし人間は複雑なのだと思います。
 以前歴史問題で揺れたときも同じでした。中国や韓国の被害国の気持ちに、少しなりさえすれば、歴史認識問題も簡単に解決したはずです。それをかたくなに自説を通し、反発を招いてしまったのです。
 では小泉さんを、なにがかたくなにしているのか。細木さん流にずばりいうことにしよう。
 小泉さんのトラウマになっている息子さんの問題だと私は主張します。小泉さんは総理大臣という公人ですので、彼のプライバシーに踏み込む失礼をお許し願う。
 小泉さんには先妻の間に息子さんがみえる。先妻との離婚に関していざこざがあり、先妻との間にできた子供に対して小泉さんは冷たかった。勿論引き取るようなことはなく、しかも一度も子供に会っていない。もう随分大きくなっているが、子供は実の父に、総理大臣までなった人だから会いたいとの願いを小泉さんはかたくなに拒んでいる。
 わたしはこのことが小泉さんをして、かたくなな性格にしている元凶だと思っている。
 もしいろんな問題が生じたとき、相手の身になって考えていたら、自分の先妻との息子に対する態度と矛盾してしまうからだ。だから先妻との子供に会わないという姿勢が、小泉さんの中で、クサビとなって打ち込まれてしまっているのだ。
 郵政民営化の問題に戻せば、今まで国会審議の中で何度でも、橋本派や他の派閥との間で調整する機会はあった。しかし小泉さんはそれをはねのけてきたのである。それが、今日の抜き差しならぬ事態を招いてしまったのである。早い話、少し他の派閥の身になって考えていれば、今日の最悪の事態は避けられたのである。
 先ほどの6カ国協議でも、少しでも韓国や中国の日本の侵略戦争の被害国の身になって、行動していれば、事態は少しは良かったはずだ。
 「相手の身になって考えない人は、行うことがうまくいかない」というのが私の彼、小泉さんから得る人生訓だ。
 衆議院参議院で自民公明連合政権は、多数を握っていた。小泉さんの内閣支持率も50パーセントある。中川さんを初め実姉らの有能なブレインももっている。それがなぜこの時期に自爆しようとしているのか。それが小泉さんの心の問題から発しているとすれば、人間とはいかに弱い生き物だと証明するようなものである。